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毛髪ミネラル検査ってどんな検査?

それぞれの検査の目的

血液検査 血液や炎症、免疫機能の状態、そして臓器の異常を理解するために活用され、疾病の診断や治療計画の決定に役立てられます。
尿検査 腎臓や肝臓、消化器、尿路系などの異常を把握するために活用され、尿中のタンパク質、糖、潜血、比重などの項目を測定するために使用されます。
毛髪ミネラル検査 有害な金属の体内蓄積の程度を評価するために使用されると同時に、恒常性(ホメオスタシス)に影響を受けないため、体内ミネラルのバランスを理解するためにも使用されます。特に、日常の栄養情報が得られるため、ミネラルの過不足による不定愁訴の原因の調査や、病気になる前の予防医学的な検査として位置づけられています。

ミネラル測定における検体の違いについて

血液 尿 毛髪
自己採取 ×
※医師もしくは看護師による採取

※適さない
郵送 ×
※個人は不可

※適さない
侵襲性 侵襲 非侵襲 非侵襲
情報 短期的 短期的 長期的
安定性 時間や食事、代謝レベルの影響を受けやすいのが特徴です。 時間経過によって成分が変化する検査項目があります。 短期的な時間や食事、代謝レベルの影響を受けない特性があります。(一ヶ月に1cmずつ成長)
長期保存 × ×
ミネラル値 低濃度 低濃度 高濃度
有害金属値(血液を1とした場合) 1倍 0.5~3.3倍 5~200倍
診断 ミネラルは比較的一定に保たれているため、細胞レベルの変化を特定するのは困難です。
異常な値が出る場合、何らかの病気の可能性があるかもしれません。
排泄レベルを確認することは可能ですが、蓄積度は把握できません。
異常な値が出る場合、何らかの病気の可能性があるかもしれません。
毛髪は排泄経路としての機能を持っており、ミネラルが細胞レベルで吸収されることがあります。
病気と診断できない程度の不明瞭な症状の原因解明に役立ちます。また、中毒の診断も可能です。

TOPICS毛髪診断のはじまり

2017年12月、理化学研究所、ヤフー、島津製作所、三井物産など18の法人や団体が毛髪を用いた新しい健康診断方法の開発のために、「毛髪診断コンソーシアム」を共同で設立しました。この取り組みはマスメディアで広く取り上げられました。

毛髪はミネラルだけでなく、タンパク質、脂質、ホルモン、摂取した薬物や代謝物、食事の内容までを追跡でき、時間の経過に沿ってデータを収集することができます。そのため、適切に活用すれば病気の兆候などを検知するのに役立つ可能性があります。

理化学研究所を中心に、約2年の間に1万人規模のデータベースを構築し、その後、毛髪から病気の診断や未病段階での兆候検出法を確立し、実用化を目指す計画です。

HISTORY毛髪ミネラル検査の歴史

  • ホッペ=ザイラー

    1858

    ドイツの生理学者、化学者のホッペ=ザイラーが毛髪中のヒ素を分析。
  • 1945

    ステファン・ロスマンが毛髪は排泄器官であることを自身の書籍で提唱。
  • 1950年代

    環境汚染による水俣病の発生
    ステファン・ロスマンが毛髪は排泄器官であることを自身の書籍で提唱。
  • 1955

    毛筆を用いた重金属のスクリーニング検査やミネラル濃度と疾病の関係、薬物検出、栄養摂取状況の把握など多岐にわたる研究が行われる。
    オーストラリアの物理学者であるアラン=ウォルシュの研究により原子吸光分析法が確立されたことが契機となっている。
  • 1956年頃

    イタイイタイ病の発生
    カドミウムによる慢性中毒症状の調査に毛髪が使われる。
  • 1994

    国際原子力機関(IAEA)がヒ素、カドミウム、水銀、鉛、セレン、クロム、ニッケルを有害金属として正式に認定。
    以降、必須ミネラルである亜鉛、銅、セレン、カルシウム、ナトリウム、鉄などの有用性を認める論文が多数発表されている。
  • 2003

    神栖市における有機ヒ素事件
    有機ヒ素の曝露調査に毛髪と爪の検査が行われる。